結論:施設の種類で働き方は大きく変わる。「何を変えたいか」から選ぶ
介護の仕事は、施設の種類によって、夜勤の有無、利用者さんとの関わり方、体力的な負担が大きく違います。
職場選びで後悔しないためには、今の職場の何を変えたいのかを整理して、それが変わる施設の種類を選ぶことが大切です。
データで見る:介護職の離職と、悩みの中身
介護労働安定センターの「令和7年度 介護労働実態調査」によると、訪問介護員と介護職員を合わせた離職率は12.4%でした。年齢別では、29歳以下が17.3%と、ほかの年齢層より高くなっています。
直前の仕事が介護関係だった人が辞めた理由で最も多いのは「職場の人間関係に問題があったため」27.3%でした。その具体的な内容は「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が約半数(45.8%)です。
働いている人の悩み・不安・不満は、「人手が足りない」52.3%、「仕事内容のわりに賃金が低い」38.1%、「昇給がない、少ない」29.9%、「身体的負担が大きい」23.9%の順でした。一方で、今の仕事や職場が「働きやすい」と答えた人は、訪問介護員で72.7%、介護職員で63.3%います。職場によって環境は大きく違うので、人員配置と職場の雰囲気は、見学で必ず確かめましょう。
主な施設・サービスの違い
| 種類 | 特徴 | 向いている人の例 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 介護度の高い方が多く、身体介護が中心。夜勤あり | 介護の経験をしっかり積みたい人 |
| 介護老人保健施設(老健) | リハビリを通じて在宅復帰を目指す | 医療職と連携して働きたい人 |
| 有料老人ホーム | 施設ごとに方針・サービスがさまざま | 接遇や生活支援を大事にしたい人 |
| グループホーム | 認知症の方と少人数で共同生活 | 一人ひとりとじっくり関わりたい人 |
| デイサービス | 日中の通い。基本的に夜勤なし | 夜勤なしで働きたい人 |
| 訪問介護 | 利用者さんの自宅でサービス | 一対一の支援をしたい人 |
※実際の働き方は事業所ごとに違います。
職場選びで見るべきポイント
- 人員配置と、1人あたりの担当人数
- 夜勤の回数と体制
- 研修や資格取得の支援
- 職員の定着(長く働いている人がいるか)
- 介護の方針(利用者さんへの接し方)
実態を知るために
- 見学で、職員と利用者さんの様子を見る
- 面接で、夜勤や残業、休みの取りやすさを具体的に聞く
- 介護職に特化した転職支援サービスで、職場の情報を聞く
介護職がつらいと感じる、よくある理由
- 夜勤や、少ない人数での対応
- 体への負担(移乗・入浴の介助など)
- 職員同士の人間関係
- 記録などの業務の多さ
- 給与や待遇
理由別の選び方
| つらい理由 | 検討しやすい方向性 |
|---|---|
| 夜勤がつらい | デイサービス、訪問介護など、夜勤のない働き方 |
| 体への負担 | 介護度や、福祉用具の導入状況を確認できる職場 |
| 人間関係 | 規模や運営方針の違う施設 |
| 業務量 | 人員配置や、記録のIT化の状況を確認 |
見学で見ておきたいポイント
- 職員の表情と、利用者さんへの声かけ
- 職員の人数と、忙しさの様子
- 施設の清潔さ、においなど
よくある質問
Q. 資格がなくても働ける?
A. 資格がなくても応募できる求人もあります。働きながら資格を取れるよう支援している職場もあるので、確認しましょう。
Q. 介護の仕事を続けるか迷っている
A. 施設の種類を変えるだけで、負担や働き方が大きく変わることがあります。いきなり介護を離れる前に、ほかの働き方も比べてみましょう。
Q. 介護以外の仕事に、経験は活きる?
A. 人と関わる力や、相手の気持ちをくみとる力は、接客や相談の仕事などでも活きます。
チェックリスト
- ☐ つらい理由を書き出した
- ☐ 施設の種類ごとの違いを比べた
- ☐ 見学で確認したいことをメモした
- ☐ 夜勤の有無・人員配置を確認した
こんなときはどうする?
腰を痛めてしまった
まず医療機関で相談し、無理をしないことが大切です。次の職場では、福祉用具の導入や介助の体制を確認しましょう。
夜勤の一人体制が不安
夜勤の人数や、緊急時の連絡体制を、面接で具体的に聞きましょう。
資格を取りたい
資格取得の支援や、働きながら研修を受けられる職場を選ぶと、キャリアアップしやすくなります。
資格で選択肢を広げる
介護の仕事は、資格によって任される仕事や待遇が変わることがあります。国家資格の介護福祉士は、実務経験ルートで受験する場合、介護等の業務に3年以上従事したうえで(従業期間と従事日数の両方の要件があります)、「実務者研修」を修了していることが必要です(社会福祉振興・試験センター)。「実務経験3年以上」だけでは受験できない点に注意しましょう。
転職先を選ぶときは、資格取得の支援(研修費用の補助、シフトの配慮など)があるかを聞いておくと、働きながら次のステップを目指しやすくなります。
次の一歩
まずは「施設の種類ごとの違いを比べる」ところから始めてみてください。小さな一歩でも、考えが整理されると、次に何をすればいいかが見えてきます。迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる人や相談先に話してみましょう。
まとめ
- 施設の種類によって、夜勤・関わり方・負担が大きく違う
- 「何を変えたいか」から施設の種類を選ぶ
- 見学と面接で、人員配置や夜勤の実態を確認する
出典(2026年10月22日確認)
- 公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査 結果の概要」(2026年7月29日) https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R7_jittai_chousa_press.pdf
- 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 受験資格(実務経験+実務者研修)」 https://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08.html
統計の数字は調査の対象や方法によって異なります。制度や数値は更新されることがあるため、最新の情報は各機関の公式サイトで確認してください。


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