結論:最初に直属の上司へ、退職の意思と希望の時期をはっきり伝える
退職の伝え方で大切なのは、誰に・いつ・どう伝えるかです。
感謝を伝えつつ、意思ははっきりと。引き止められても、結論を変えない準備をしておくと落ち着いて話せます。
法律とデータで見る:退職の「いつまでに」
期間の定めのない雇用(いわゆる正社員など)の場合、民法第627条第1項では、各当事者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間を経過すると雇用は終了すると定めています。ただし、会社の就業規則に「退職の○か月前までに申し出る」などの定めがあることも多く、引き継ぎを考えると、早めに相談するほうがトラブルになりにくいでしょう。契約期間が決まっている働き方(有期雇用)は扱いが異なるため、契約書を確認してください。
退職をめぐる相談は、決して珍しくありません。厚生労働省の「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」では、民事上の個別労働関係紛争の相談のうち「自己都合退職」は41,502件で、「いじめ・嫌がらせ」(54,987件)に次いで2番目に多くなっています。困ったときは、各地の労働局などにある「総合労働相談コーナー」に相談できます。
伝える順番とタイミング
- 直属の上司に最初に伝える(同僚や他部署に先に話さない)
- 就業規則で、退職の申し出の時期を確認する
- 繁忙期をできるだけ避け、引き継ぎの時間をとれる時期にする
切り出し方の例
「お忙しいところすみません。今後のことでご相談したいことがあり、お時間をいただけますか。」
「〇月末で退職させていただきたいと考えています。これまでご指導いただき、ありがとうございました。」
ポイントは、「相談」ではなく「決めたこと」として伝えることです。
退職の理由はどう伝える?
詳しく話す必要はありません。前向きな理由を簡潔に伝えれば十分です。
- 「新しい分野に挑戦したいと考えました」
- 「家庭の事情で、働き方を見直すことにしました」
職場への不満を並べると、話がこじれやすくなります。
引き止められたときの対処
- 給与や条件を上げるから残ってほしい → 「ありがたいお話ですが、考えた末の結論です」
- 人手が足りないから困る → 「引き継ぎはしっかり行います」と、具体的な引き継ぎの計画を示す
- 時期を延ばしてほしい → 次の職場との約束がある場合は、その日程を伝えて相談する
うまく進まないとき
退職の話を受け付けてもらえない、強く引き止められて困るなど、トラブルになったときは、一人で抱え込まずに、都道府県労働局などの公的な相談窓口に相談しましょう。
退職までにやること
- 引き継ぎの資料づくり
- 有給休暇の扱いの確認
- 返却するもの(社員証、制服など)と、受け取る書類の確認
伝える前に準備しておくこと
- 就業規則で、退職の申し出の時期と手続きを確認する
- 退職したい日(最終出勤日)を決める
- 引き継ぎの内容を、ざっくりリストにしておく
- 有給休暇の残りを確認する
- 次の職場の入社日(決まっている場合)
退職までの流れ(例)
- 直属の上司に退職の意思を伝える
- 退職日と、引き継ぎの計画を相談する
- 退職届を提出する(会社の決まりに従う)
- 引き継ぎ・あいさつ
- 返却物の返却、書類の受け取り
- 最終出勤
伝え方の例(場面別)
面談の時間をもらうとき
「今後のことでご相談があります。〇分ほどお時間をいただけますか。」
退職を伝えるとき
「〇月〇日で退職させていただきたいと考えています。急なお願いで申し訳ありませんが、引き継ぎはしっかり行います。」
理由を聞かれたとき
「新しい環境で挑戦したいと考え、決めました。」
引き止められたとき
「お気持ちはありがたいのですが、よく考えて決めたことです。」
よくある質問
Q. メールやLINEで伝えてもいい?
A. 基本は直接(対面やオンライン面談)がおすすめです。体調などの事情で難しい場合は、会社の窓口に相談しましょう。
Q. 繁忙期で言い出しにくい
A. 引き継ぎの計画を一緒に示すと、相手も受け止めやすくなります。
Q. 退職を認めてもらえない
A. 一人で抱え込まず、都道府県労働局などの公的な相談窓口に相談しましょう。
退職時に受け取る・返すもの(例)
- 受け取る:離職票、源泉徴収票、年金手帳など(会社や状況によって違う)
- 返す:社員証、制服、貸与された機器など
→ 関連記事:仕事を辞めたいと思ったら最初にやること
こんなときはどうする?
退職日を一方的に決められた
希望の退職日と引き継ぎの計画を、書面やメールで伝えて相談しましょう。話し合いが難しい場合は、公的な相談窓口へ。
有給休暇を消化したい
退職日までの引き継ぎ計画とあわせて、早めに相談しましょう。会社の規則も確認しておきます。
同僚にはいつ伝える?
上司と、伝えるタイミングを相談してから。先に同僚に話すと、うわさで上司の耳に入り、話がこじれることがあります。
次の一歩
まずは「就業規則で、退職の手続きを確認する」ところから始めてみてください。小さな一歩でも、考えが整理されると、次に何をすればいいかが見えてきます。迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる人や相談先に話してみましょう。
まとめ
- 最初に直属の上司へ、決めたこととして伝える
- 理由は簡潔に、前向きに
- 引き止めには、感謝しつつ結論は変えない
- トラブル時は公的な相談窓口へ
出典(2026年10月22日確認)
- e-Gov法令検索「民法」第627条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 厚生労働省「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2025年6月25日公表) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00201.html
統計の数字は調査の対象や方法によって異なります。制度や数値は更新されることがあるため、最新の情報は各機関の公式サイトで確認してください。


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