結論:辞めるかどうかを決める前に、「何がつらいのか」を言葉にする
「もう辞めたい」と感じるのは、がんばってきた証拠でもあります。
ただ、勢いで辞めると、次の職場でも同じ悩みをくり返したり、お金の面で困ったりすることがあります。
まずは、次の5つを整理してみましょう。
※眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続くなど、心や体の不調があるときは、まず医療機関や相談窓口に相談してください。
データで見る:「辞めたい」と感じているのは、あなただけではない
厚生労働省の「令和6年 労働安全衛生調査」では、仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者は68.3%でした。内容(主なもの3つ以内)は「仕事の量」43.2%、「仕事の失敗、責任の発生等」36.2%、「仕事の質」26.4%の順です(この年から設問の形式が変わったため、前年との単純な比較には注意が必要とされています)。
厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」で、令和6年の1年間に転職した人が前の職場を辞めた理由を見ると、次のようになっています(「その他の個人的理由」などを除いた上位)。
| 最も多い理由 | 次に多い理由 | |
|---|---|---|
| 男性 | 定年・契約期間の満了(14.1%) | 給料等収入が少なかった(10.1%) |
| 女性 | 労働時間、休日等の労働条件が悪かった(12.8%) | 職場の人間関係が好ましくなかった(11.7%) |
同じ「労働安全衛生調査」では、ストレスを相談できる人がいる労働者は94.6%で、相談相手は「家族・友人」68.6%、「上司」65.7%が多くなっています。ひとりで抱えず、まずは誰かに話すことも、立派な一歩です。
1. 何がいちばんつらいのかを書き出す
- 仕事内容(量、責任、向いていない)
- 人間関係(上司、同僚、お客さん)
- 働き方(残業、夜勤、休み、通勤)
- 待遇(給料、評価)
- 将来への不安
いちばんつらいものに印をつけると、次に何を変えればいいかが見えてきます。
2. それは「今の職場で」変えられるか考える
- 部署の異動
- 勤務形態の変更(時短、日勤のみなど)
- 上司や人事への相談
- 休職
今の職場の中で解決できることもあります。
3. 辞めた場合のお金を確認する
- 貯金で何か月暮らせるか
- 失業給付などの制度(条件はハローワークで確認)
- 次の仕事が決まるまでの期間の見込み
できれば、次の仕事を決めてから辞めると安心です。
4. 次に「どう働きたいか」を考える
- 同じ職種で、職場だけ変えたいのか
- 職種そのものを変えたいのか
- ゆずれない条件は何か
5. 情報を集める
求人を見たり、転職支援サービスに相談したりするだけでも、「自分にはこんな選択肢がある」と気持ちが楽になることがあります。
相談したからといって、必ず転職しなければいけないわけではありません。
「辞めたい」の強さを分けて考える
| 状態 | 考え方 |
|---|---|
| たまに思う | 疲れがたまっているサイン。休みの取り方や、仕事の量を見直す |
| 毎日思う | 何がつらいかを書き出し、今の職場で変えられるかを考える |
| 体や心に不調が出ている | まず休むこと、医療機関や相談窓口に相談することを優先する |
書き出しシート(例)
| 質問 | 書いてみる |
|---|---|
| いちばんつらいことは? | |
| それはいつから? | |
| 今の職場で変えられる?(異動・相談・勤務形態) | |
| 辞めたら、何が解決する? | |
| 辞めても解決しないことは? | |
| 次の仕事で、ゆずれない条件は? |
書いてみると、「職場を変えれば解決すること」と「どこでも起こりうること」が分かれて見えてきます。
よくある質問
Q. 次を決めずに辞めてもいい?
A. 心身の状態によっては、まず休むことが大切な場合もあります。お金の見通し(貯金、失業給付などの制度)を確認し、できる範囲で準備してから判断しましょう。制度の条件は、ハローワークで確認してください。
Q. 辞めたいと思うのは甘え?
A. そう感じるほど、がんばってきたのだと思います。理由を言葉にすることで、甘えではなく「変えるべきこと」が見えてきます。
Q. 誰に相談すればいい?
A. 家族や友人、信頼できる先輩、社内の相談窓口、転職支援サービスの担当者など。話すだけで整理できることもあります。
辞める前にやっておきたいこと
- ☐ 何がつらいかを書き出した
- ☐ 今の職場で変えられることを検討した
- ☐ お金の見通しを確認した
- ☐ 次にどう働きたいかを考えた
- ☐ 情報を集め始めた(求人を見る、相談する)
→ 関連記事:転職エージェントと求人サイトの違い/職場の人間関係がつらいときの考え方と選択肢/給料が上がらない…と感じたら
こんなときはどうする?
上司に相談したら、もう少し頑張れと言われた
その言葉で気持ちが楽になるなら様子を見るのも一つですが、つらさが続くなら、別の相談先(人事、社内窓口、家族、外部の相談先)にも話してみましょう。
辞めたいけど、次にやりたいことが分からない
まずは「やりたくないこと」を書き出すと、方向性が見えることがあります。転職支援サービスに相談して、選択肢を聞いてみるのも方法です。
休職と退職、どちらがいい?
心身の不調がある場合は、まず医師に相談し、会社の休職制度を確認しましょう。休んで回復してから判断する方法もあります。
次の一歩
まずは「書き出しシートを1つ埋めてみる」ところから始めてみてください。小さな一歩でも、考えが整理されると、次に何をすればいいかが見えてきます。迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる人や相談先に話してみましょう。
まとめ
- 辞める前に、何がつらいのかを書き出す
- 今の職場で変えられることがないか考える
- お金と次の働き方を整理してから動く
- 心身の不調があるときは、まず医療機関や相談窓口へ
出典(2026年10月22日確認)
- 厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/r06-46-50b.html
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html
統計の数字は調査の対象や方法によって異なります。制度や数値は更新されることがあるため、最新の情報は各機関の公式サイトで確認してください。


コメント