結論:給料が上がらない理由を分けて考え、「今の職場で上げる道」と「職場を変える道」を比べる
給料が上がらないと感じるとき、その理由は人によって違います。
理由を分けて考えると、今の職場でできることと、転職で見直せることが整理できます。
データで見る:転職で給料は上がる?
厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」によると、令和6年に転職した人の賃金が前の職場と比べてどう変わったかは、次のとおりでした。
| 前職と比べた賃金 | 割合 |
|---|---|
| 増加した | 40.5%(うち1割以上の増加 29.4%) |
| 変わらない | 28.4% |
| 減少した | 29.4%(うち1割以上の減少 21.7%) |
「増加」は前年より3.3ポイント上がっていますが、3割近くの人は減っています。転職すれば必ず上がるわけではないので、基本給・手当・賞与・残業代の内訳まで、今の職場と同じ物差しで比べることが大切です。
ちなみに、同じ調査で男性が前の職場を辞めた理由を見ると、「給料等収入が少なかった」は10.1%で、「定年・契約期間の満了」に次いで多い理由でした(「その他」の理由を除く)。
給料が上がらない、よくある理由
- 会社や業界の給与水準が、もともと高くない
- 評価の仕組みがはっきりしていない
- 資格や役職による手当がない
- 働き方(雇用形態、夜勤の有無など)
今の職場でできること
- 評価の基準を上司に確認する
- 資格を取って手当の対象になる
- 役割や担当を広げる
転職で見直すポイント
- 給与の内訳:基本給、手当、賞与、残業代の扱い
- 昇給の仕組み:評価の基準と、昇給の実績
- 資格の評価:持っている資格が手当につながるか
- 働き方とのバランス:給与が上がっても、残業や夜勤が増えないか
給与だけで選ぶと、働き方の負担が増えて後悔することもあります。総合的に比べましょう。
転職支援サービスを使うと
- 同じ職種の他の職場の条件を知ることができる
- 給与の交渉を代わりにしてくれることがある
給与の内訳の見方
| 項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 基本給 | 賞与や退職金の計算のもとになることが多い |
| 手当 | 資格手当、夜勤手当、住宅手当など。何が対象か |
| 賞与 | 支給の実績と、評価との関係 |
| 残業代 | 固定残業代が含まれていないか、超えた分の扱い |
今の職場で給与を上げるためにできること
- 評価の基準を確認し、目標を上司とすり合わせる
- 資格を取って、手当の対象になる
- 担当や役割を広げる
転職で給与を見直すときの注意点
- 給与が上がっても、残業や夜勤が増えて負担が大きくなることがある
- 賞与や手当の条件を、面接や内定時に書面で確認する
- 年収だけでなく、休みや通勤時間も含めて比べる
よくある質問
Q. 転職すれば給料は上がる?
A. 必ず上がるとは限りません。同じ職種の他の職場の条件を知ったうえで、働き方とのバランスで判断しましょう。
Q. 給与の交渉はできる?
A. 転職支援サービスを使うと、条件の調整を代わりにしてもらえることがあります。
比べるときのシート(例)
| 比べること | 今の職場 | 候補A | 候補B |
|---|---|---|---|
| 基本給・手当 | |||
| 賞与 | |||
| 残業・夜勤 | |||
| 休日 | |||
| 通勤時間 |
→ 関連記事:転職エージェントと求人サイトの違い
こんなときはどうする?
昇給があっても、ほんの少し
評価のしくみや、昇給の基準を確認しましょう。資格手当など、条件で上がる部分がないかも見てみます。
残業代が出ていない気がする
給与明細と勤務時間を記録し、会社に確認しましょう。解決しない場合は、労働基準監督署などの公的な窓口に相談できます。
給与より休みを増やしたい
給与だけでなく、休日数・残業・通勤時間を含めて比べ、自分にとっての優先順位で選びましょう。
制度で見る:残業代のルール
労働基準法では、法定労働時間は原則として1日8時間・1週40時間とされ、これを超えて働いた時間(時間外労働)には割増賃金を支払う必要があります。
| 働いた時間 | 割増賃金率(法律で定める最低の率) |
|---|---|
| 時間外労働 | 2割5分以上 |
| 時間外労働が月60時間を超えた部分 | 5割以上(中小企業も2023年4月から適用) |
| 深夜(午後10時〜午前5時) | 2割5分以上 |
給与明細で、残業時間と残業代が見合っているかを確かめてみましょう。「固定残業代(みなし残業)」の制度がある会社では、何時間分が含まれているか、超えた分が別に支払われているかも確認ポイントです。残業代が支払われていない疑いがあるときは、勤務時間の記録を残したうえで、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。
「年収」で比べるときの落とし穴
求人票の「想定年収」には、賞与や残業代の見込みが含まれていることがあります。賞与が業績で変わる会社や、残業が前提の金額になっている場合は、実際の受け取り額が想定と違うこともあります。月給の内訳、賞与の実績、残業時間の前提を分けて確認しましょう。
次の一歩
まずは「今の給与の内訳を確認する」ところから始めてみてください。小さな一歩でも、考えが整理されると、次に何をすればいいかが見えてきます。迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる人や相談先に話してみましょう。
まとめ
- 給料が上がらない理由を分けて考える
- 今の職場で上げる道と、職場を変える道を比べる
- 転職では、給与の内訳・昇給の仕組み・働き方とのバランスを確認する
出典(2026年10月22日確認)
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html
- e-Gov法令検索「労働基準法」第32条・第37条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 厚生労働省「労働時間・休日」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html
- 北海道労働局「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引上げ」 https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/newpage_00640.html
統計の数字は調査の対象や方法によって異なります。制度や数値は更新されることがあるため、最新の情報は各機関の公式サイトで確認してください。


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