結論:一人で抱え込まず、「距離をとる」「相談する」「環境を変える」の順で考える
職場の人間関係のつらさは、仕事内容の悩みより心にこたえやすいものです。
我慢を続ける前に、できることを順番に考えてみましょう。
※ハラスメント(パワハラ・セクハラなど)を受けている場合や、心身に不調が出ている場合は、社内の相談窓口や都道府県労働局などの公的な相談窓口、医療機関に相談してください。
データで見る:人間関係の悩みは、珍しくない
厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」では、令和6年に転職した女性が前の職場を辞めた理由として、「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.7%で、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(12.8%)に次いで多くなっています(「その他の個人的理由」を除く)。
また、厚生労働省の「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」では、労働局などの総合労働相談コーナーに寄せられた民事上の個別労働関係紛争の相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」が54,987件で、13年連続で最も多くなっています。
人間関係の悩みは、それだけ多くの人が抱えているものです。パワハラなどが疑われるときは、記録を残したうえで、社内の相談窓口や、全国の総合労働相談コーナー(令和7年4月1日時点で379か所)に相談できます。
1. 距離をとる
- 必要な会話を仕事の話に絞る
- 相手の言動を「自分のせい」と受け取りすぎない
- 休憩や勤務時間外は、相手から離れる
2. 相談する
- 信頼できる上司や先輩
- 社内の相談窓口・人事
- 家族や友人(話すだけで整理できることもある)
3. 環境を変える
- 部署異動やシフトの調整をお願いする
- それでも難しい場合は、職場を変えることも選択肢
次の職場で同じ悩みをくり返さないために
- どんな人・どんな職場の雰囲気だと働きやすいかを書き出す
- 見学や面接で、職員の雰囲気や人の入れ替わりを確認する
- 転職支援サービスの担当者に、職場の雰囲気を聞く
人間関係の悩み、よくあるパターン
- 特定の人の言動がきつい
- 職場の雰囲気がピリピリしている
- 相談できる人がいない
- 自分だけ浮いている気がする
自分でできること
- 相手の言動を「自分の価値」と結びつけない
- 事実と気持ちを分けて書き出す(何を言われたか/どう感じたか)
- 話を聞いてくれる人を、職場の外にも持つ
- 休みの日は、仕事から意識して離れる
相談するときのコツ
- 「いつ・どこで・何があったか」をメモしておく
- 感情だけでなく、困っていることと、してほしいことを伝える
- 社内で相談しにくい場合は、公的な相談窓口も使える
職場を変えるときに、同じことをくり返さないために
| 確認したいこと | 方法 |
|---|---|
| 職員の雰囲気 | 見学、面接での様子 |
| 人の入れ替わり | 面接や転職支援サービスの担当者に聞く |
| 相談できる体制 | 面接で、教育や相談の仕組みを聞く |
よくある質問
Q. 人間関係で辞めるのは逃げ?
A. 逃げではありません。自分を守るための選択です。ただし、次の職場で同じ悩みをくり返さないよう、何がつらかったのかを整理しておきましょう。
Q. ハラスメントかどうか分からない
A. 迷ったら、社内の相談窓口や、都道府県労働局などの公的な相談窓口に相談してみてください。
→ 関連記事:仕事を辞めたいと思ったら最初にやること
こんなときはどうする?
職場のグループに入れない
無理に合わせる必要はありません。仕事に必要な関係を保ちつつ、職場の外に話せる人を持つことも大切です。
上司との関係がつらい
事実をメモし、人事や社内の相談窓口に相談しましょう。異動の相談も選択肢です。
次の職場でもうまくいくか不安
見学や面接で雰囲気を確認し、相談できる体制がある職場を選ぶと、安心して働き始めやすくなります。
制度で見る:パワーハラスメントとは
厚生労働省によると、職場のパワーハラスメントは、①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもので、この3つの要素をすべて満たすものとされています。代表的な言動の類型として、「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つが示されています。
一方で、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な指示や指導は、パワーハラスメントにはあたらないとされています。厳しい指導がすべてパワハラになるわけではないため、「いつ・誰から・何を言われたか」を記録して、相談窓口で一緒に整理してもらうのが確実です。
パワーハラスメントの防止措置は、大企業では令和2年6月1日から、中小企業では2022年(令和4年)4月1日から、事業主の義務となっています。会社には相談窓口を設けるなどの対応が求められているので、まずは社内の窓口を確認してみましょう。
次の一歩
まずは「事実と気持ちを分けて書き出す」ところから始めてみてください。小さな一歩でも、考えが整理されると、次に何をすればいいかが見えてきます。迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる人や相談先に話してみましょう。
まとめ
- 我慢を続ける前に、距離をとる・相談する・環境を変える
- ハラスメントや心身の不調があるときは、公的な窓口や医療機関に相談
- 職場を変えるときは、雰囲気を事前に確認して同じ悩みをくり返さない
出典(2026年10月22日確認)
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html
- 厚生労働省「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2025年6月25日公表) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00201.html
- 厚生労働省「あかるい職場応援団 パワーハラスメント」 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/harassment_list/power-hara/
- 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
統計の数字は調査の対象や方法によって異なります。制度や数値は更新されることがあるため、最新の情報は各機関の公式サイトで確認してください。


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