パワハラを受けたときの相談先|記録の残し方と、社内・社外の窓口

パワハラを受けたときの相談先|記録の残し方と、社内・社外の窓口 悩み別

※この記事は、一般的な情報を紹介するものです。心や体の不調があるときは、まず医療機関に相談してください。

結論:ひとりで抱えず、「記録」を残して、社内・社外の窓口に相談する

上司からの暴言、無視、過大な仕事の押しつけ。
「自分が悪いのかもしれない」と思って、誰にも言えずにいる人は少なくありません。

でも、つらいと感じていること自体が、相談してよいサインです。
大切なのは、

  1. 記録を残す
  2. 社内の窓口に相談する
  3. 社外の公的な窓口も使う

の3つです。

パワハラとは(厚生労働省の定義)

厚生労働省によると、職場のパワーハラスメントは、次の3つの要素をすべて満たすものとされています。

  1. 優越的な関係を背景とした言動であって
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
  3. 労働者の就業環境が害されるもの

代表的な言動の類型として、「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つが示されています。業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な指示や指導は、パワハラにはあたらないとされています。

「これはパワハラなのか」と自分で判断できなくても大丈夫です。迷うときこそ、相談先で一緒に整理してもらいましょう。考え方の全体像は職場の人間関係がつらいときの考え方にまとめています。

1. 記録を残す

相談するとき、記録があると状況が伝わりやすくなります。

  • いつ(日時)
  • どこで(場所)
  • 誰から(相手、ほかにいた人)
  • 何を言われた・されたか(できるだけ具体的に)
  • 自分がどう感じ、体調にどんな影響があったか

メモ、メール、チャットの画面、医療機関を受診した記録なども、残しておきましょう。記録は、自分のスマートフォンやノートなど、会社以外の場所にも保管しておくと安心です。

2. 社内の窓口に相談する

厚生労働省によると、パワーハラスメントの防止措置は、大企業では令和2年6月1日から、中小企業では2022年(令和4年)4月1日から、事業主の義務となっています。会社には、相談窓口を設けるなどの対応が求められています。

  • 社内の相談窓口(人事、コンプライアンス窓口など)
  • 信頼できる別の上司
  • 産業医や保健師

相談したことを理由に、不利益な扱いをすることは認められていません。それでも社内に相談しにくい場合は、次の社外の窓口を使いましょう。

3. 社外の公的な窓口

窓口 どんなときに
総合労働相談コーナー(各地の労働局・労働基準監督署など) パワハラを含む、あらゆる労働問題の相談。予約不要・無料で相談できる
都道府県労働局長による助言・指導 会社との話し合いで解決しないとき
紛争調整委員会によるあっせん 第三者に間に入ってもらい、話し合いで解決を目指したいとき
厚生労働省「こころの耳」 心の不調や、働く人のメンタルヘルスの情報・相談先を知りたいとき

厚生労働省の「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、総合労働相談コーナーは全国379か所(令和7年4月1日現在)にあり、民事上の個別労働関係紛争の相談のうち「いじめ・嫌がらせ」は54,987件で、13年連続で最も多くなっています。相談するのは、決して特別なことではありません。

法律的な対応(損害賠償など)を考える場合は、弁護士などの専門家に相談する方法もあります。

自分を守るためにできること

  • 心身を優先する:眠れない、食欲がない、会社に向かうと体調が悪くなる、といった状態が続くときは、医療機関を受診する。休職や傷病手当金については休職中の過ごし方とお金へ
  • 信頼できる人に話す:家族や友人に話すだけでも、気持ちが整理されることがある
  • 環境を変える選択肢も持つ:部署異動や転職は、逃げではなく、自分を守るための選択肢の一つ

よくある質問

Q. 厳しく注意されただけでも、パワハラになりますか?

業務上必要かつ相当な範囲の指導は、パワハラにはあたらないとされています。ただ、人格を否定するような言動や、長時間の叱責などは、範囲を超えている可能性があります。判断に迷うときは、記録を持って相談しましょう。

Q. 相談したことが、相手に知られませんか?

相談窓口での取り扱いは、窓口によって異なります。相談する前に、相談内容がどこまで共有されるのかを確認しておきましょう。

Q. 辞めるべきか迷っています。

心身の健康を最優先に考えてください。続けるか辞めるかは、体調が落ち着いてから考えても遅くありません。考え方は仕事を辞めたいと思ったら最初にやることにまとめています。

チェックリスト

  • ☐ 言動の記録(日時・場所・相手・内容・影響)を残し始めた
  • ☐ 記録を、会社以外の場所にも保管した
  • ☐ 社内の相談窓口を確認した
  • ☐ 総合労働相談コーナーの場所や連絡先を調べた
  • ☐ 体調の変化があれば、医療機関に相談した

こんなときはどうする?

相談窓口の担当者が、加害者と近い

別の窓口(人事以外のコンプライアンス窓口、産業医など)や、社外の総合労働相談コーナーを使いましょう。

証拠がない

今日から記録を始めれば大丈夫です。過去の出来事も、思い出せる範囲で日付と内容を書き出しておきましょう。

次の職場でも同じことが起きないか不安

職場を選ぶときに、相談体制や雰囲気を確認する方法は次こそ働きやすい職場を選びたいにまとめています。

次の一歩

  1. 今日から、言動の記録をつけ始める
  2. 社内・社外の相談先を、1つずつ調べておく
  3. 体調の変化があれば、医療機関に相談する

まとめ

  • つらいと感じたら、ひとりで抱えず相談してよい
  • 記録(いつ・どこで・誰から・何を)を残しておくと、相談がスムーズになる
  • 社内の窓口が使いにくいときは、総合労働相談コーナーなど社外の公的な窓口がある
  • 心身の健康を最優先に。環境を変えることも、自分を守る選択肢

出典(2026年10月23日確認)

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